ふたりのガーディアン
そして迎えた当日。


私は体育館の舞台の上に、他の候補者と並んでいた。


一年生から7名、二年生から7名。


この中から生徒会長、副会長、書記、会計、庶務2名が選ばれるらしい。


あぁ、どうか当選しませんように。


私は7組なので、1年生最後の発表になるらしい。


ふと1番最初に発表する1組の候補者を見ると、なんと渋谷君だった。


渋谷君も立候補してるんだ。


私がビックリして見ていると、渋谷君が私を見てニコッと笑った。


し、渋谷君余裕だな…。




渋谷君の演説は、まさに彼の見た目の通り、とてもスマートでコンパクトだった。


一切の無駄がなくて、すごいなと思った。


6組の発表が終わり、いよいよ私の出番になった。


私はマイクの前に立つと、ガサガサとメモを取り出し、演説文を読み始めた。


第一声がちょっと裏返って恥ずかしかったけど、私は淡々と演説文を読み上げ、無難に終了した。


その他の立候補者は力強く、そして真剣で素晴らしい演説ばかりだった。


よしよし。私は目立ってない、目立ってない。


投票はこの後すぐに行われ、開票も今日中に行われるそうだ。


当選者の発表は、明日の朝のホームルームの時に校内放送でされるらしい。


全ての候補者の演説が終わり、私達は舞台を降りた。


とりあえず終わった。


ホッと一安心していると渋谷君が近づいて来た。


「竹内が立候補しててビックリした」


「私が一番ビックリしてるよ。どうして私がクラス代表に選ばれたのか…」


成績だって、真ん中くらいだし。


特に何か出来るわけでもないのに…。


もう笑うしかなかった。

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