ふたりのガーディアン

不協和音

生徒会の役員になってからというもの、私は週に何度も生徒会室に足を運んだ。


夕方遅い時間までかかる時もあるから、しばらくアルバイトをする時間はなさそうだ。


「おはよー、優月」


軽快な走りで私に追い付く蒼甫君。


「おはよう。今朝も寒いね」


肩を並べて、同じ歩調で歩き始める二人。


たったそれだけのことなのに、やけに新鮮な気持ちになってしまう。


「なんだか蒼甫君と話すの、久しぶりな気がする」


お互い避けてるわけでもないのにね。


「静華が来てから、なんか俺のペース崩されっぱなしなんだよなー」


静華ちゃんか…。


確かに最近蒼甫君は、いつも静華ちゃんと一緒にいる。


サーフィン仲間で幼なじみなんだもの。


私達より親しいのは当然だよね。


「生徒会どう?」


「うーん。なんだかまだ慣れないんだけどね。でも少しずつ出来る事が増えてきたかな」


「優月は頑張り屋だからな。
あんまり無理するなよ」


そう言って、私の頭をぽんぽんと撫でる蒼甫君。


私の横で優しく笑う蒼甫君が、なんだかまぶしくて、ちょっぴりせつなかった。

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