ふたりのガーディアン
そして、迎えた夏休み。


海水浴場はもうとっくに海開きをしているので、私達は夏休み初日から早速アルバイトに行くことになった。


以前ピッキングのバイトをした会社の場所から、さらに3つ先の駅に海水浴場があるのだとか。


電車に揺られること50分。


駅に降りると、蒼甫君が待ってくれていた。


蒼甫君はTシャツに短パン、サンダルに麦わら帽子で、すっかり夏男モードだ。


でもそれがやたらと爽やかに見えるのが、蒼甫君のすごいところだけど。


「あれ?瀬名君は?」


「アイツはバイクだから、もう随分前に到着してるよ」


そっか。バイクだと速いんだよね。


「よし、それじゃ行こうか」


海水浴場までは徒歩で行けるらしく、私達はおしゃべりしながら海までの道を歩いた。


少し歩くと、潮の香りがしてきた。


海から吹く風が、私の頬を優しく撫でていく。


それが心地良くて、私は目を細めた。


「あっ」


視線の先に海水浴場が見えて来た。


まだ朝早いのに、沢山の人で賑わっている。


さすが夏休みだなー。

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