ふたりのガーディアン
「もしかして、あれ?」


「そう」


白いペンキが塗られた木の柱に、トタン屋根。


看板には『やっちゃんの海の家』と書かれている。


砂浜に入ると、サクサクと砂の柔らかい感触がした。


サンダルに砂が入ってきて、歩くとちょっぴり痛い。


「おーい、やっちゃーん。連れてきたよー」


やっちゃんって…。


やっぱりそのまんま、オーナーの名前なんだね。


私はクスッと一人で笑ってしまった。


すると厨房の中から、日に焼けた体格のいい男性が出てきた。


「キミが優月ちゃん?よく来たね。蒼甫から話は聞いてるよ」


40代くらいなのかな?


アゴに少しだけ生えたヒゲが、なんかちょっと可愛いなと思ってしまった。


「竹内です。よろしくお願いします」


「ちょっと大変だけど、よろしくね。

今、瀬名君に荷物運び込んでもらってんだよ。

蒼甫も行って手伝ってやって」


「わかった」


瀬名君はもう仕事してるんだ。


「優月ちゃんはこっち来てもらえるかな?」


「はい」
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