ふたりのガーディアン
土曜日の混雑ときたら、それはもう想像以上だった。


席も空席になることはまずないし、カキ氷が特に沢山出た。


みんなフル回転で、手を止めるヒマさえなかった。


それから、蒼甫君と瀬名君目当ての女性客の多さも、平日の比じゃなかった。


まるでアイドルを見に来たかのような女性客の波に、私はかなり面食らってしまった。


平日は営業スマイルを振りまいていた蒼甫君だったけど、さすがに今日は口角を上げるのがやっとだったようだ。


瀬名君に関してはもう、殺気立っているような感じさえした。






「あぁ~、やっと終わったぁ~」


蒼甫君が机の上に倒れ込む。


瀬名君もなんだか、げっそりした顔をしている。


「お疲れさん。みんなよく頑張ってくれたよ。
昼飯も厨房で立って食ってたもんな」


今日は休憩らしい休憩が全くとれなかった。


「やっちゃん、去年より忙しいじゃない」


ヘルプで来ていた女性が言った。


「この子達に感謝しなさいよ。ものすごい客寄せ効果だわ。

三人とも、このおじさんにしっかりバイト代もらうのよ」


やっちゃんはタジタジになってる。


どうやらこの女性二人には頭が上がらないみたいだ。
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