ふたりのガーディアン
お店の片付けをした後、私と蒼甫君と瀬名君は、蒼甫君のおじさんの家へと移動した。


おじさんの家までは、バスで行くらしい。


私達はあまりに疲れ過ぎて、バスの中で半分眠っていた。


バスから降りると、今度は海岸沿いを歩く。


途中横道にそれて、ゆるやかな坂道を上がると、白い壁の家が見えて来た。


「あれだよ」


サーフボードがいくつも立て掛けてある手入れされた庭を通り抜けると、蒼甫君が玄関のインターフォンを鳴らした。


「はーい」


わ…。なんかすごく優しい声。


ドアが開くと、中から声のイメージ通りの、柔らかい雰囲気の可愛らしい女性が出て来た。


「いらっしゃい。バイト疲れたでしょう?さあ、みんなあがって」


お邪魔しますと言って中に入ると、広々としたリビングに案内された。


「わぁ、すごーい」


窓からは素晴らしい海の景色が見える。


部屋の壁には、おじさんが波乗りをしている写真が何枚も飾られていて、本棚には沢山のトロフィーと賞状が置かれていた。


「セイさん、まだ帰ってないのよ」


「そうなんだ。
あっ、みゆきさん。俺ら汗がすごいから、先にシャワー浴びていい?」


蒼甫君がそう言うと、「どうぞ。お風呂すんだら夕飯にしましょうね」と、その女性は柔らかく微笑んだ。
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