ふたりのガーディアン
7月の終わり、台風の影響で大雨が降った。


こんな日はさすがに海水浴どころではないので、バイトはお休みになった。


私達は手をつけてなかった夏休みの宿題をするため、リビングに集まっていた。


「なぁ、この英語のテキストは手分けしてやって、あとで写さないか?」


「数学もそうしよう」


「国語だけは終わらせてるから、良かったら写していいよ」


「マジか?優月。いつの間に」


「毎日ちょっとずつやってたの」


「タフだなー優月」


そんなことをワイワイ言いながら、私達はひたすらシャーペンを走らせた。


ちなみに、セイさんとみゆきさんは買い物に出かけていて今は留守だ。


二人がいなくて静かだし、雨音がなんだか心地良くて、私達はいつの間にか、集中して宿題をしていた。


静かに流れる時間。


私は解いていた数学の問題が詰まってしまい、ふと顔を上げた。


その時、蒼甫君とバチッと目が合ってしまった。


静かなところで目が合うと、なんだか恥ずかしいのはどうしてなんだろう?


「どした?」


「えっ?あ、えっとね。この問題教えてほしいなって思って」


「ん?どれ?」


蒼甫君が私の顔の近くに顔を寄せる。


ち、近いっ。
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