ふたりのガーディアン
「なぁ、みんな腹減った?みゆきさんが昼飯準備してくれてるんだけど、そろそろ食う?」


「そうだな。そろそろ休憩でもいいんじゃね?」


私達はみゆきさんが作っておいてくれたおにぎりとスープをいただく事にした。


「スープ温めるね~」


私はガスに火をつけた。


みゆきさん、買い物行く前にささっと作ってた。


私もこんなふうに手早く料理を作れるようになりたいな。


えっと、マグカップマグカップ…と。


もう沸騰してるし、スープを注ごうかな?


私はマグカップを左手に持って、おたまでスープを注いだ。


「あっつ!」


入れ方がまずかったのか、スープが指にかかってしまった。


「優月?」


私が大きな声を出したので、瀬名君がキッチンを覗いた。


「えっ?優月、もしかして火傷した?」


「あ、うん。ちょっと。でも大丈夫」


私がそう言うと、瀬名君が走って来て、私の左手首を掴んでシンクへと引っ張った。


そして水道の蛇口を引き上げると、私の左手に水をかけ始めた。


「火傷したら、すぐ冷やさないとダメだろ?」


瀬名君は私の手首を持ったまま、私のすぐ後ろに立っている。


なんかこれって、瀬名君に後ろから抱きしめられてるみたい…。


瀬名君の顔が、私の顔のすぐ横にある。


水の音だけがジャーッと響くキッチン。


何か話した方がいいのかな?


でも私は、自分の指先を見つめることしか出来なかった。
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