ふたりのガーディアン
「蒼甫」


聞き慣れた声に振り返ると、複雑そうな顔をした瀬名君が立っていた。


「なんで蒼甫がこんなところにいるんだよ」


そうだよね。びっくりだよね。


「まぁ、話すと長くなるんだけどさ。
それよりお前こそ、モデルやってること、なんで俺に話さない?」


「それは…」


「話しにくいことなのか?」


「そういうわけでもないんだけど、あえて言う話でもないだろ?」


「まぁ、このことは明日学校でゆっくり話そう。
って言うかさ、お前まだ気づかないの?」


「何が?」


「何がじゃねぇよ。目の前にいるじゃん」


「はぁ~?だから何だよ?」


「コイツだよっ!」


そう言って私を差し出す蒼甫君。


「コイツって…、え…?

……っ!!」


「瀬名君、やっほ」


私はサッと右手を上げた。


「優月っ。おまっ、何して…!」


瀬名君がひっくり返りそうなくらい驚いている。


あはは…。


無理もないよね。
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