ふたりのガーディアン
その後も撮影は順調に進み、無事仕事は終了した。


守屋さんとはスタジオの前で別れ、私と蒼甫君は二人で駅へと向かった。


「疲れたー。もう俺、絶対モデルはやりたくない」


蒼甫君、本当に疲れちゃったみたい。


私もなんだか疲れちゃったよ…。


嘘つくのって疲れるよね。


「とりあえず瀬名に会えたし、目的達成したから、もういいよな?」


「うん。もう二度とやらなくていいよね?」


もう本当にこれで最後にしたい。


「なぁ、優月」


蒼甫君が甘えた子犬みたいな顔をする。


「どうしたの?」


「……。イチャイチャしたい」


「なっ、何言ってるの?」


「だって俺、頑張ったもん。ご褒美欲しい」


そんな事言われたって、私にどうしろと?


「あーあ。優月と暮らしたい」


「えっ?」


「そうしたらいくらでも抱きしめられるし、いつでもキス出来るし、好きなだけ○○とか××とか△△とか」


「……お願い。それ以上は言わないで…」


私は手の平を蒼甫君に向けた。


顔から火が出そうだよっ。


「優月。いつか一緒に暮らそう」


そうだね。


いつか本当に、そんな日が来たらいいね。


「うん」


私達は見つめ合って、ぎゅっと手を繋いだ。
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