ふたりのガーディアン

文化祭

私達が仕事のことで慌ただしくしている間に、学校では文化祭が明日に迫っていた。


すっかり忘れていたけど、蒼甫君も瀬名君も明日は女装するんだよね。


私はカフェでバイトしていた経験を買われ、明日はコーヒーやココアなどの飲み物を準備する係になった。


青雲の文化祭は土曜日に開催されることもあって、他校からも大勢のお客さんが来る。


明日は忙しくなるかもしれないな。




そして迎えた当日。


私達のクラスは朝から戦争だった。


男子5人に衣装を着せ、メイクをして、ヘアもまとめなくちゃいけない。


担当になった子達は必死で走り回っていた。


私はポットにお湯を沸かしたり、借りて来たコーヒーマシーンをセットしたり、使い捨てカップやマドラーの準備をした。


会場係は机と椅子のセッティングをする。


ギンガムチェックのテーブルクロスをかけ、だんだんカフェらしくなっていった。


しばらくすると、控え室の奥の方から「おぉーっ」という歓声が聞こえてきた。


何だろう?今の声。完成したのかな?


すると、中から女装をした男子が一人出て来た。


あ、あれは…。


渋谷君だ!


は、はっきり言って可愛い。


ちょっと勝気そうな女の子って感じ?


渋谷君は恥ずかしそうだなー。


しょうがないよね。


スカートなんて初めてなんだろうし。


でも、本人が思ってる以上にホントに可愛いよー。


ーで、あの二人はどうなったのかな?


もともと綺麗な顔だものね。


きっと似合っているに違いないんだけど…。


あっ、出てきたみたい。


ん?


!!!


なんて言うか…。


あれは…。
< 359 / 932 >

この作品をシェア

pagetop