ふたりのガーディアン
どうしてヨウヘイさんがこんなところにいるの?


「あいつ、多分俺に会いに来たんだ。

もしかしたら、蒼甫にも会いに来たのかもしれないよな。

優月、お前は顔見られちゃマズイだろ?

絶対ここから出て来るなよ。いいな?」


そうだった。


私は蒼甫君の付き人って事になっているから、こんなところにいちゃマズイんだ。


「蒼甫、行くぞ」


「おう」


そう言って二人は出て行った。


私は段ボールの隙間から様子を伺う事にした。


「いらっしゃいませーっ」


そう言ってヨウヘイさんに近づく二人。


「うっ。裕樹、神崎。お前ら何してんだ?」


ヨウヘイさんが目を見開いてビックリしている。


「何って見ればわかるだろ?メイドだよ」


瀬名君がそう言うと、ヨウヘイさんはクスクス笑い始めた。


「似合ってねーなあ」


ヨウヘイさん涙目になってる。


よっぽどおかしいんだろうな。


「ヨウヘイが文化祭に来るなんて思わなかった」


「裕樹には会えるけど、神崎にはあれ以来会えないだろ?

青雲が文化祭やるって聞いて、ここに来たら会えるかなと思って」


「そうだったのか。まぁ座れよ。何か飲むか?俺が作ってやるよ」


「じゃコーヒーくれる?」


「了解」
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