ふたりのガーディアン
ヨウヘイさんは身体の向きをくるりと変えると、今度は蒼甫君の前へ歩み寄った。


ヨウヘイさんの鋭い瞳が光る。


「神崎、テメェ…。

仕事ナメてっと、マジで容赦しねぇぞ!!」


そう言い放った彼は、携帯を乱暴に取って教室を出て行ってしまった。


彼がいなくなって、急にシンと静かになる教室内。


みんなしばらく口も開けず、なかなかその場から動けなかった。


そんななか、一番長くボーッと突っ立っていた蒼甫君だったけど。


急に我に返ったのかスッとカツラをとり、メイク室へと無言で入って行った。


「優月、大丈夫か?」


瀬名君が心配そうに私の顔を覗き込む。


「うん…」


「ヨウヘイ、いつもはあんなんじゃないんだ。

ただ、アイツは本気であの仕事やってるから。

悪気はないんだよ。

許してやって」


許すも何も…。


私達が悪かったんだから…。

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