ふたりのガーディアン
どうしてなのかさっぱりわからなかったけれど、蒼甫君はSHUN WAVEのモデルの仕事を、また引き受けてしまった。


でも、今度は私に付いて来なくていいよと言っていた。


私もその方がいいと思ったから、今日は事務所にいることにした。


それにしても、蒼甫君の考えていることがわからない。


一体どうして引き受ける気になったんだろう…。


「あらやだ!大変!」


机の引き出しを開けて、突然叫ぶイチャさん。


「どうしたんですか?」


「蒼甫にこの書類を持って行かせるのを忘れたわ。

これ、すっごく大事な書類なのよ。

優月ちゃん、今日はこのままバイトあがってもいいから、スタジオに持って行ってくれないかしら?

広告代理店の人に渡して欲しいのよ。

私、連絡入れておくから」


「えぇっ!」


私が現場に行ったら、ヨウヘイさんに会っちゃうのに…。


でも、イチャさんが両手を合わせて必死に頼み込んでくるから、ノーとは言えなかった。


「はい。行って来ます…」


うぅ~、どうしよう。


怖いよう。
< 381 / 932 >

この作品をシェア

pagetop