ふたりのガーディアン
「この前は言い過ぎた。ごめん」


そう言って頭を下げるヨウヘイさん。


根元まで綺麗に染められたシルバーの髪が、風にゆらりと揺れる。


「ホントに高田芸能事務所のスタッフだったんだな。

俺、てっきり神崎が女を現場に連れ込んでるのかと思って。

本当にごめん」


「いえ、あの…」


そんなふうに謝られると困るな。


半分はその通りだし…。


「ところでさ、年齢誤魔化してまで働いてる理由は何?」


えっ?誤魔化す…?


「あ、ごめんなさい。

あの時はとっさに嘘をついてしまったんです。

あまりに若いスタッフだと怪しまれると思って…。

事務所ではちゃんと高校生としてバイトしてます」


そう言うと、ヨウヘイさんはビックリしたような顔をして私を見つめた。


「なんで芸能事務所でバイトしてるの?芸能人にでもなりたいの?」


突拍子もない事を聞かれて、思わず膝がカクンとしなりそうになった。


「あの…。たまたまバイト先が芸能事務所だっただけです。ただそれだけです」


芸能人になりたいだなんて、とんでもない。


私がそう言うと、ヨウヘイさんは口を少しへの字に曲げた。


「お前、変わってんな」


変わってる?


そ、そうかな?
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