ふたりのガーディアン
何ショットか撮って、この服での撮影は終わるらしい。


次は瀬名が入るんだろう。


俺達は朝から入れ替わり立ち替わり、こうして着替えては撮影を繰り返している。


机を挟んで、俺の向かい側にあるパイプ椅子に、ヨウヘイが腰掛けて脚を組む。


机の上のペットボトルの水を飲むと、スッと髪をかき上げた。


その一連の動作が、いちいち決まっていて。


横目でつい追ってしまう。


「神崎」


「ん?」


急に呼ばれたから、ちょっと内心ビビる俺。


「さっき、神崎の付き人に会った」


「え?」


優月に…?


「書類の届け物があったらしい。もう帰ったけどな」


そうだったんだ。


俺には会わずに帰ったんだな。


何か言われるとマズイって、気を利かせたんだろう。
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