ふたりのガーディアン
おずおずと私は素足でスニーカーを履いて、店内へと出た。


「いいね」


えー?ホントにいいの?


瀬名君が言うなら間違いないとは思うんだけど。


「でも、さすがにスニーカーじゃマズイよな。
次、靴買いにいくよ」


そう言うと瀬名君は靴屋さんに入り、少し光沢のあるピンクベージュの可愛いパンプスを持って来た。


「これ、履いてみ。サイズどうかな?」


私はその場でそのパンプスを履いてみた。


だけど慣れないヒールにバランスを崩して、ぐらりとよろけてしまった。


「おっと」


転びそうになった私の腕を、瀬名君がさっと支えてくれる。


「大丈夫?」


「あ、りがと…」


力強い手に、ドキッとしてしまう。


「ご、ごめんね。こういうの履くの初めてだから…」


「すぐ慣れるよ。
このスカートならヒールがあった方がいいし。
よし、これにしよう。
はい、レジ行くー」


瀬名君、なんだか楽しそうだな。


金額を払うと、意外とリーズナブルでビックリした。


可愛いのに、安いんだね。


瀬名君って決断も早いし、買い物上手だなあ。


「コレも履いて帰ろう」


瀬名君にそう言われて、私は全身総着替えで、紙袋には着て来た服とスニーカーを入れて歩いた。

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