ふたりのガーディアン
それにしても、やっぱりヒールに慣れない。


変な体勢で歩いていると、瀬名君がさっと腕を出した。


「つかまっていいよ」


「えっ?でも」


「いいから、ほら」


本当にいいのかな?とためらいつつ、私は瀬名君の腕にそっとつかまった。


細いけど、しっかりした腕。


こうして触れていると、すごく照れくさい。


顔が急に熱くなってきちゃった。


瀬名君につかまりながらモール内をゆっくり歩いていると、周りにいる普通のカップルとなんら変わりない感じだよね。


なんだか今日はドキドキしっぱなしだ。


こんなふうに瀬名君を近くに感じると…。


私はチラッと横目で瀬名君の横顔を見てみた。


瀬名君は大人っぽい顔立ちをしているなって思う。


すっと鼻筋が通っていて、彫りも深いし。


まつ毛も長くて、ホントに綺麗…。


私なんかが隣りにいたんじゃ、不似合い過ぎて申し訳ないな…。
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