ふたりのガーディアン
「優月ちゃん、さっちゃん」


なぜか小声で話しかけてくる静華ちゃん。


「どうしたの?」


「ねぇ、男子の部屋に忍び込まない?」


「えぇっ?」


「渋谷と斉藤君と蒼甫、同じ部屋なのよ。どう?会いに行ってみない?」


静華ちゃんは、綺麗な顔でニコッと口角を上げるけど。


「で、でも…。先生に見つかると面倒じゃない?」


静華ちゃんの提案に戸惑う私とさっちゃん。


「そんなもの怖がってどうすんのよ。
これぞ修学旅行の醍醐味でしょ?
さ、行くわよ」


部屋に残る子達に『何かあったらフォローをお願い』と言って、静華ちゃんは私とさっちゃんの手を引いて廊下へと出た。


蒼甫君達が泊まっているのは、私達の下の階。


廊下に先生達がいないのを確認すると、急ぎ足で階段を下りて蒼甫君達の部屋に向かう。


「確か420号室よ。階段のすぐそばで良かったわ」


静華ちゃんが勢い良くドアを開ける。


スリッパを脱ぎ襖を開けると、男子の視線が一気にこちらに向いた。


いきなりの私達の登場に、みんなビックリした顔をしている。
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