ふたりのガーディアン
息を潜め、布団の中でひたすらじっとしていると、私の頬に蒼甫君の手が触れた。


細長い指が私の顔を探っている。


探していたのは唇のようで。


探し当てると、そっと唇を重ねられた。


そ、蒼甫君っ?


やだ、もう。


こんな時に…。


でも今日のキス、なんか違う。


触れ方がすごく優しい。


気持ちが伝わって来て、なんだか頭が真っ白になる。


私は思わず、蒼甫君の腕にしがみついた。


えっ?


この腕。


ち、違う。


蒼甫君じゃないっ。


私は慌てて唇を離した。


『だ…れ?』


私は周りの人には聞えない程度の、小さな声で聞いた。


『優月…』


えっ?


い、今の声って…。


瀬名君…だよね?


ど、どうして…?


なんで?
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