ふたりのガーディアン
私と瀬名君は、滑っている人達の邪魔にならないように、コースの外れの方へ向かった。


最終日なので、初心者コースの子達も随分上達したように思う。


みんなすごく楽しそうだ。


「優月…」


「どうして、あんなことしたの?」


瀬名君が話を始める前に、私の方から投げかけた。


どうしても聞きたかった。


その理由を…。


「優月、ごめん」


そんな、あやまられても…。


「俺が優月にキスしたの、これで三回目だな…」


そう…だね。


1回目は川沿いで。


2回目は海で。


そして昨日が3回目…。


「優月が近くにいると、どうも俺、抑えられなくなるらしい…」


瀬名君…。


「私達、あんなことしちゃダメじゃない。

瀬名君には薫さんがいるし、私にだって…」


私にだって、蒼甫君がいる…。


瀬名君が視線を雪の上に落とす。


「優月。俺…」


「な…に?」











「薫とは別れたんだ」

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