ふたりのガーディアン
「お腹空いた。何か食べて帰ろ」


急に瀬名君がこっちを向くから、私は顔が赤くなってしまった。


「うん。行こう」


私と瀬名君はイタリアンのお店に入り、パスタやピザやサラダを分け合って食べた。


普段はわりと無口な瀬名君だけど、今日は沢山話してくれた。


私も学校のことや、家のこと、いろんな話をした。


ショッピングモールを出る頃には、あたりはすっかり暗くなっていて。


もう帰るんだなと思ったら、なんとなく寂しくなった。


瀬名君がヘルメットを私に被せる。


先にバイクに乗って、トントンと合図をする瀬名君。


後ろに乗る私。


ここまでの一連の流れに、会話はなかった。


なんだか付き合って長いカップルのようだなと、一人でクスッと笑ってしまった。


バイクが出発すると、キュロットが風にはためいて脚があらわになりそうで。


恥ずかしくて、ぐっと瀬名君に身体を寄せた。
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