ふたりのガーディアン
振り返ると、蒼甫君がドアのそばに立っていた。
入口に手をかけて、少し怖い目で私達を見ている。
撮影でセットされたのか、いつもと違う少し無造作な髪型に目を奪われる。
いつからいたの?
全然気づかなかった…。
「瀬名、倒れたんだって?」
蒼甫君がゆっくり近づいて来る。
「蒼甫…」
どうしよう。
二人の表情がすごく硬い。
「瀬名。
優月はな、あの夏の時点では、俺のことも瀬名のことも同じで、全然変わらなかったんだ」
蒼甫君の低い声に戸惑ってしまう。
髪型が違うせいか、いつもの蒼甫君じゃないみたい。
「でも…。でも今は俺の事を好きだと思う。
だって、しょうがないだろ?
薫さんが現れて、お前がいなくなって、優月すげー落ち込んでたんだ。
そんな優月を支えたいと思うのは当然だろ?」
「蒼甫…」
「もうしょうがないんだよ。
あの時、瀬名が薫さんを選んだ時点で。
今はもう別れてたとしても。
もう、遅いんだよ。
だから。
だから…」
蒼甫君が拳に力を入れる。
そして、すっと息を吸い込む。
「もう優月を揺らさないで欲しい」
「蒼甫君?」
「確かに、先に優月を好きになったのはお前だけどっ」
え…?
どういう…こと?
「俺だってすぐに、優月を好きになったんだよ」
「蒼甫…。俺は別に、優月をお前から奪おうなんて思ってないよ。
ただ…。せめて友達でいさせて欲しい」
瀬名君の顔はつらそうだ。
「それくらいは許して欲しい」
瀬名君…。
「そ、それでお前は気持ちを断ち切れんの?
余計に好きになるんじゃねぇの?
さっきみたいな質問だって、ホントだったらしちゃダメじゃないか。
そうやって優月を迷わせるなよ」
そ、蒼甫君。
いやだ。
こんなこと言い合いする二人なんか見たくない。
「待って、蒼甫君。
わ、私…、瀬名君とは友達でいたい」
私は震える声を絞り出した。
「優月?」
入口に手をかけて、少し怖い目で私達を見ている。
撮影でセットされたのか、いつもと違う少し無造作な髪型に目を奪われる。
いつからいたの?
全然気づかなかった…。
「瀬名、倒れたんだって?」
蒼甫君がゆっくり近づいて来る。
「蒼甫…」
どうしよう。
二人の表情がすごく硬い。
「瀬名。
優月はな、あの夏の時点では、俺のことも瀬名のことも同じで、全然変わらなかったんだ」
蒼甫君の低い声に戸惑ってしまう。
髪型が違うせいか、いつもの蒼甫君じゃないみたい。
「でも…。でも今は俺の事を好きだと思う。
だって、しょうがないだろ?
薫さんが現れて、お前がいなくなって、優月すげー落ち込んでたんだ。
そんな優月を支えたいと思うのは当然だろ?」
「蒼甫…」
「もうしょうがないんだよ。
あの時、瀬名が薫さんを選んだ時点で。
今はもう別れてたとしても。
もう、遅いんだよ。
だから。
だから…」
蒼甫君が拳に力を入れる。
そして、すっと息を吸い込む。
「もう優月を揺らさないで欲しい」
「蒼甫君?」
「確かに、先に優月を好きになったのはお前だけどっ」
え…?
どういう…こと?
「俺だってすぐに、優月を好きになったんだよ」
「蒼甫…。俺は別に、優月をお前から奪おうなんて思ってないよ。
ただ…。せめて友達でいさせて欲しい」
瀬名君の顔はつらそうだ。
「それくらいは許して欲しい」
瀬名君…。
「そ、それでお前は気持ちを断ち切れんの?
余計に好きになるんじゃねぇの?
さっきみたいな質問だって、ホントだったらしちゃダメじゃないか。
そうやって優月を迷わせるなよ」
そ、蒼甫君。
いやだ。
こんなこと言い合いする二人なんか見たくない。
「待って、蒼甫君。
わ、私…、瀬名君とは友達でいたい」
私は震える声を絞り出した。
「優月?」