ふたりのガーディアン
「優月、待たせてごめん。帰ろうか」


「あ、うん…」


立ち上がって、ビルの外へと向かう。


自動ドアを出ると、瀬名君が私を振り返った。


「優月。薫と何話したんだ?」


「え…?」


「何か言われた?」


「えっ?何も言われてないよ。シュークリームをご馳走してくれたの」


「そうか…」


薫さんは…。


嘘はついていなかった。


だけど、あの目…。


明らかに嫉妬だった。


薫さんは、瀬名君が好きなの…?


もしかして、今も…。


「優月、大丈夫?」


「え?大丈夫だよ」


「でもちょっと顔色が…」


「えっ?」


瀬名君の言葉に、胸がキュンとしてしまう。


あぁ…。


瀬名君はどうしていつも、私の変化にすぐ気付いてしまうんだろう。


「とりあえず、歩こうか」


「うん…」

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