ふたりのガーディアン
沢山のビルが建ち並ぶ歩道。


会社帰りのOLさんや、スーツを着た人と沢山すれ違うなか、不似合いな制服姿で歩く私達。


「薫さんに聞かれたの」


「ん?」


「瀬名君が好きなのは、私なんじゃないかって……」


私の言葉に、瀬名君の目の色が変わる。


「アイツ、そんなこと言ったんだ…」


「…うん」


瀬名君が長く静かなため息をつく。


遠くを見つめる瀬名君の横顔は、やっぱり今日も綺麗で…。


つい、目を奪われる。


この頃、夏至が近づいていて日が長い。


夕方6時だと言うのに、まだまだ太陽は明るくて。


なんだかこの明るさが、ちょっとだけイヤになった。


「アイツの方から別れようって言ったんだ」


「え…?」


「俺、アイツに2回もフラれたよ」


瀬名君がフッと苦笑いする。


知らなかった…。


薫さんから別れを切り出してたんだ。
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