ふたりのガーディアン
蒼甫君の予感は的中した。


蒼甫君が同じクラスの女の子と少し話すようになっただけで、蒼甫君のまわりはいつも女の子だらけになってしまった。


それは瀬名君にも言えることだった。


もともとぶっきらぼうな瀬名君が話すようになったのだから、女の子達がそれを見逃すはずがなかった。


「なんか最近、蒼甫君達に近づけないね」


さっちゃんがビックリするのも当然だ。


「話しかけるスキもないよ」


ふぅと息を吐くさっちゃん。


さっちゃんは今回のことに関して、何も事情を知らない。


そんなことを言ったらさっちゃんは、斉藤君と付き合い始めた自分を責めてしまいそうだから。


さっちゃんは、この頃すごく綺麗になった。


斉藤君と付き合っているからなんだろうなあ。


恋をすると綺麗になるっていうのは、本当なんだね。


「なんだかあれだけ女の子達に囲まれてるのを見ると、遠くに行っちゃったみたいに感じるね」


こうなることがわかっていたから、今まで必要以上に女の子達と話さなかったんだね。


私が女の子達に何か言われないために、頑張ってくれているんだ。


だから寂しいなんて思っちゃいけない。


でも、二人と話せないのは想像以上につらいことだった。
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