ふたりのガーディアン
蒼甫君がその手を、私の首元に移動させる。


左手もスッと伸びて来る。


そして、私のブラウスのボタンを外し始めた。


戸惑って、立ち尽くしていると…。


蒼甫君の手の中に、キラリと光るネックレスが見えた。


そ、それは…。


蒼甫君がそのネックレスをじっと見つめている。


そして、ぎゅっと握りしめると。


「あっ…」


勢い良く投げる蒼甫君。


ネックレスはキラリと光り、ポチャンと川の中に入ってしまった。


振り返る蒼甫君。


「もう、必要ないだろ?」


蒼甫君は、今までに見たこともないような怖い顔で私を睨みつけている。


「じゃあな」


そう言って、蒼甫君は私の横をスッと通り過ぎて行った。


蒼甫君の足音が、どんどん遠くなっていく。


そして、その音は。


完全に消えてしまった。
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