ふたりのガーディアン
放課後、私は瀬名君と一緒に瀬名君の自宅へと向かった。


瀬名君の家に行くのは、今日で3回目だ。


「どうぞー」


瀬名君の家の玄関に入ると、「こっちから入って」と言われて、家の中から店舗に入った。


自宅へはオジャマしたことがあるけれど、店舗に入るのは初めてだ。


そんなに広くはないけれど、白を基調にしたオシャレな空間になっていて、美容椅子が2つ並べられていた。


「今日お袋と姉貴いないんだ。

月曜はいっつも二人で買い物行ったり、温泉行ったり、エステに行ったりしてるんだ」


「へぇー、仲良しなんだね。うらやましいな」


「ま、休みの日くらいリフレッシュしないとな。結構ハードな仕事だから。

ここに座って」


瀬名君に言われ、私は椅子に座った。


「はい、手通して」


慣れた手つきでケープが首に巻かれる。


早速霧吹きを持って来て、私の前髪に水をかける瀬名君。


クシでまっすぐにとかされた。


「ほらー、見てみろよ。こんなに伸びてんだぞ」


「わー、ホントだー。口まで届きそう」


「じゃあ、切るね。眉が隠れるくらいでいい?」


「あ、うん」


そう言うと瀬名君は少しずつ髪を取り、前髪にハサミを入れていった。


その手つきがあまりに様になっていて、ビックリしてしまった。


瀬名君が私の真正面で、真剣な顔で私を見ている。


もちろん見てるのは、髪なんだけど。


でも、なんだかドキドキしてしまう。
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