ふたりのガーディアン
「甘えるのもいい加減にしてくださいっ!」


私の大きな声に、瀬名君がビックリしている。


「妹さんから聞きました。薫さん、お父さんの事を嫌いだとか」


「それがどうかした?」


「なぜ嫌いなんです?」


「なぜって、血が繋がってないからよ。

妹ばかり可愛がって、私のことは嫌ってたからよ」


「どうして嫌ってるって思うんです?」


「私のこと、殴ったからよ!」


「どうして殴ったか、考えたことないんですか?」


「さぁ…。実の子じゃない私が、可愛くなかったからでしょ?」


私はフッと笑った。


「違いますよ。薫さんのこと、本当に娘だと思ってるからですよ」


「は…?」


「薫さんの帰りが遅くて、お父さんはすごく心配だったんです。

何かあったんじゃないかって、気が気じゃなかったんです。

だから、あなたを叱ったんです。

愛してるから。心配だったから。娘だから殴ったんです。

自分の子供じゃなかったら、そこまでムキになったりしません」


私の言葉に、薫さんの顔色が少し変わった。
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