ふたりのガーディアン
「いい加減にしてっ!」


立ち上がって、大きな声で叫んだ。


そのせいか、一瞬教室がシンとなった。


「何も知らないくせに。

私のことも、蒼甫君のことも。

何も知らないくせに。

勝手なことばっかり言わないで。

もう話しかけて来ないで。

桐谷君なんて、大っ嫌い!」


そう言うと、私は教室を飛び出した。


嫌い嫌い!


大嫌い!


もうほっといて。


もうかまわないで。


私はトイレに駆け込んだ。


「もう、やだ…」


私は声を殺して、一人で泣いた。


悔しくて、悲しくて、ぐちゃぐちゃで…。


もうワケがわからなかった……。
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