ふたりのガーディアン
瀬名君が、左手で私の肩を抱き寄せる。


すごくあったかくて、なんだか泣きそうになった。


遠くの夜景を眺める。


これだけあったかかったら、いくらでも見ていられそう。


私は少しの間、目を閉じた。


瀬名君の鼓動が聞こえる。


瀬名君をこんなに近くに感じるのは、いつぐらいぶりだろう。


瀬名君は海のように、深い人だと思う。


そして、月のように神秘的だ。


あたたかいせいか、少し眠気が襲ってきた。


目をこする。


「どうした?眠い…?」


「うん。あたたかいせいかな?ちょっと眠くなっちゃった」


「寝てもいいけど?」


「ふふっ。寝たりしないよ」


「なぁ、優月」


「ん?」


「もうすぐ卒業だな…」


「そうだね…」


「もう俺ら、知り合って3年近くになるんだな」


「うん」


「早いな」


「早いね…」
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