ふたりのガーディアン
私を見つめる瀬名君のせつない顔に、胸がキュンとしてしまう。


ダメ。


流されちゃダメだ。


ちゃんと心が伴わなきゃ。


今のまま応じるのは、瀬名君に失礼だ。


「瀬名君、あの…」


ちゃんと断ろうとしたその時。


瀬名君が急に布団をめくった。


すぐさま唇を塞がれる。


「んっ」


舌を潜りこませ、激しく絡みつく瀬名君。


瀬名君はキスをしながら、私の膨らみを何度も撫で回す。


それはさっきまでの優しい感じではなく、余裕のない動きに戸惑ってしまう。


瀬名君は唇を離すと、今度は私の膨らみの中心に吸い付いた。


舌と指で翻弄され、思わずぎゅっと目を閉じる。


そして瀬名君が、私の下着に手をかけた瞬間。


「いやっ!」


思わず発した言葉に、瀬名君の手がピタリと止まる。


「ゆ…づき?」


瀬名君が大きく目を見開く。


「…うすけ君っ。蒼甫君っ、蒼甫君っ」


気がつけば私は、蒼甫君の名前を呼んでいて。


目からは涙が溢れて止まらなかった。
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