ふたりのガーディアン
空港に到着したはいいものの、行き先がどこなのか、どこの航空会社なのか、何時の便なのか。


出発ロビーがどこなのかさえわからない。


こんななか、どうやって探せばいいんだよ。


空港内は広すぎて、俺にはワケがわからなかった。


俺はあてもなく走り回った。


出発ゲートをうろうろしてみるけど、よくわからない。


焦る思いだけが募る。


その時、俺の携帯が鳴った。


「もしもし」


『蒼甫?』


「瀬名」


『空港にいるのか?』


「あぁ。でもワケがわかんねーんだ。どこに行けばいいのか」


『いきなり飛び出すからだろ?相変わらず無鉄砲だ』


「優月はどこへ行くんだ?行き先は?」


『航空会社の名前や出発時刻まではわからないけど、行き先はカナダだ』


カナダ?


「わかった…。ありがとう。

ごめんな、瀬名。

でも最後にどうしても会いたいんだ。

会うこと、許してくれ」


『あぁ…。会えるといいな』


俺は電話を切った。
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