ふたりのガーディアン
しばらく行くと、綺麗な砂浜が広がって来た。


海の方に目をやると、何人かのサーファーが海に入っている姿が見える。


蒼甫君は防波堤のすぐそばに自転車を停めた。


「じゃ、行こうか」


私達は砂浜をずんずん歩いて、サーファーさん達が集まっている場所へと向かった。


「おーい、おじきー。連れて来たー」


蒼甫君の声に振り返る男性。


「おぉー。キミが優月ちゃんか。可愛い子だなあ」


おじさんと聞いていたから、いかにもおじさんを想像していたのに、蒼甫君のおじさんは金髪でスラッとしていて、白い歯が印象的な、とても若々しくて素敵な男性だった。


「あの、はじめまして。竹内です。このたびはアルバイトを紹介していただき、ありがとうございました」


カチコチになって頭を下げると、おじさんはニッコリ笑ってくれた。


「優月ちゃん、蒼甫にいじめられてない?困ったことがあれば、僕に言ってね」


「おじきっ。優月に変なこと言ってんじゃねぇよ」


「おじさん、この子がオムツしてた頃から知ってるからさ。何でも聞いて」


「やめろって。恥ずかしいだろ?」


おじさんにからかわれながらも、蒼甫君はとっても楽しそう。


仲が良さそうで、なんだかうらやましいなと思った。

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