ふたりのガーディアン
「あたし甲斐静華(かい しずか)。蒼甫とは幼なじみよ」


初めて彼女は私の顔を真っ直ぐに見た。


「竹内優月です。よろしくお願いします」


少し緊張しながら挨拶すると、彼女はニッと口角をあげた。


「優月ちゃんか。
蒼甫の同級生よね?
あたしも同い年よ。
あたしの事は静華でいいわ」


「静華…ちゃん」


さすがに初対面で呼び捨ては出来ない。


「ふふっ。まぁいいわ。
じゃあ蒼甫、セイさん。また明日ねー」


そう言うと、彼女は自転車のある方向へと向かった。


彼女の後ろ姿は、とてもスタイルが良くて、カッコよかった。




暗くなって来たので、サーファーさん達はみんな引き上げ始め、私はおじさんのバンに乗せてもらい、駅まで送ってもらった。


車を降りて運転席側のドアの横に立つと、おじさんが車の窓を開けて顔を出した。


「優月ちゃん。明日もバイト終わったら海においで。蒼甫の波乗りが見られるよ」


「はい。送っていただいてありがとうございました」


「じゃあまた明日ね」


「優月、気をつけて帰れよ」


助手席から蒼甫君が手を振る。


「うん。また明日」


こうして私のアルバイト初日は無事に終わった。
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