ふたりのガーディアン
そして、次の日。


バイトが終わって会社の門を出た時だった。


「優月っ」


呼び止められて振り向くと、視線の先にバイクのシートにもたれて微笑む男の子が一人。


「えー?どうしたの?瀬名君」


「優月と蒼甫に会いに来た」


瀬名君がにっこり笑う。


「バイクでここまで?」


「うん。30分くらいで着いたよ」


「バイクだとそんなに早いんだね。
今から一緒に蒼甫君のところに行く?」


「うん、行くよ。じゃ後ろ乗って」


私は瀬名君からヘルメットを受け取ると、バイクの後ろに乗り込んだ。


この時期にバイクに乗ると、さすがにちょっと寒い。


でもバイクだから、あっと言う間に海岸に到着してしまった。


砂浜を歩いて海の方へ近づくと、蒼甫君達はすでに海から上がっていて、帰りの準備をしているところだった。


「あれー?瀬名ー。どーしたんだよ」


「今日家の手伝い休みだったから、ちょっとバイク走らせてみた」


「そうか。二人とも、ちょっと待ってて。すぐ着替えて来るから」


「おう」


そう言うと蒼甫君は、更衣室の方へ走って行った。
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