シュシュ
6.薫子は・・・!!
バタンッ!!

勢いよく、実家の応接間を開ける。

・・・そして、ソファーに悠然と座っている兄、

星野 龍之介に向かって文句を言う。


「お兄ちゃん、急に、お見合いってなんなんですか?!」

私の怒声にも、龍之介は穏やかな微笑みを浮かべ、

私に答えを言う。


「薫子、お前は、星野建設の長女なんだ。

会社の為に、お見合いしてほしいと言っているんだよ」


「会社の為って・・・

星野建設は、お兄ちゃんが社長をしてるし、

会長には、お父様が就任してる。

何の問題もないんじゃないんですか?

だから私は安心して、西条株式会社に就職したんですよ。

それなのに、まだ入社して、ほんの1か月程しか経っていない。

そんな私に、お見合いなんて」


・・・そうなんです。

龍之介からの連絡は、夕方にあるお見合いに、

出席するようにと、理不尽な理由で、今ここにいる。

そのお見合いを断ろうと、仕方なく、ここに来たのだけど。

しかも、そのお見合いの理由が、

『会社の為』・・・なんて。

信じられない。
< 102 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop