シュシュ
でも、お父様は、自分が星野建設の娘だと言う事は、

誰にも言うな。と、言われている。

その理由は、もちろん極道の娘だと知られれば、

世間に白い目で見られるから・・・

私はそれでもいいとお父様に言った事がある。

私は父も、おじいちゃんも、母も、そして兄も・・・

その人たちを恥ずかしいと思った事も、極道だからイヤだと、

思った事もない。

私は会社が好きだし、家族も皆愛してる、大切な存在。

それでも、やはり、お父様は言うなの一点張り。

それはもちろん、私を可愛い娘だと思ってくれてるからこそ。

だから、私はお父様の言う事を守り、誰にも言っていない。

…ぁ、例外が一人だけいる。

…そう、もうお分かりいただけただろうか?

私の親友、みっちゃんだ。みっちゃんに打ち明けた時、

みっちゃんの態度は、白い目で見るどころか、目をギラギラと輝かせ、

根ほり、葉ほり聞いてきた。

もちろん、みっちゃんは、この事は他言なんかしない。

面白いから、誰にも教えてあげない!天然薫子は、

実は、極道の娘でした、なんてこんなに面白い事無いでしょ。


…と、言う理由らしいが。


・・・ところで。

お父様が言ってた、『あんな男』とは、

一体誰なのだろうか?
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