シュシュ
しばらく考え込んでいた父が、

私を真剣な顔で見つめた。


「・・・わかった」

「本当ですか?ありがとうございます」


「正し!」

「・・・」

「その席には、マリアと、龍之介を同席させること」


「え・・・お兄ちゃんは分かりますが、

何で、お母様まで??」


その質問には、龍之介も答えが欲しいらしい。

母は、温厚で穏やかな性格。どちらかと言えば、

他の人とは、一本筋がズレタヨウナ、変わった性格でもある。

そんな母と私は、兄、父、そして祖父までもが、

『そっくり』だと、口をそろえて言う・・・


「変わった性格だが、ここぞと言う時、頼りになる、

心強い味方になってくれる女だ、それはワシが保証する」


「…でもな、父さん」

龍之介は溜息交じりに父に言う。


「分かりました、お父様、その約束、必ず守ります」

「薫子!」

私を止めようとした龍之介だったが、


「よし、日取りはこちらで都合をつける、わかったな龍之介」

「・・・はい、はい」

流石の龍之介でも、父のいう事には逆らえない。
< 107 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop