シュシュ
「あ、気が変わったかも」


どこかを見つめていた水野さんが、

突然そんな事を言った。



「何の気が変わったんですか?」

私の肩を自分の方に引き寄せ、水野さんを睨むみっちゃん。



「もちろん、薫子ちゃんへの気持ち」


「「え?!」」


お茶を一気に飲み干した水野さんは、誰かに

不敵な笑みを見せ、立ち上がった。



「これから、とりあえず、友達として宜しく」

そう言った水野さんはお盆を持ってその場を去っていった。


「ゲ、何なのよ、あれ」

みっちゃんは言い捨てた。



「…誰かに似てる」

今の状況と、全く関係ない事を口走った私。



「…誰が、誰に?」

眉間にしわを寄せ、みっちゃんが私に聞く。



「…水野さんが、誰かに」

「誰かって、誰よ?」


「…誰だったかなぁ・・・忘れた」

私の言葉に、みっちゃんは呆れ顔。

でもすぐに笑い出した。


「…この天然娘」

「・・・」

また言われてしまった。
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