シュシュ
…今のこの微妙な関係に、どんな名前がつくのか?

しいて言うなら、友達以上恋人未満。

そんな事を、兄に言うのか?

今までただ一人として、恋人はおろか、男友達すらいなかった私に、

そんな人が出来たとなると、龍之介は黙っていないだろう。


「え~っと・・・」

私は困り果て、答えなど言えない。


「『まだ』友人です」

と、飛鳥さんはいとも簡単に応えてしまった。


「…『まだ』ですか?」

その言葉に、龍之介は、眉をひそめた。


「ええ、『まだ』です。

私は、正直なところ、薫子さんに、好意を持っています」


「?!」


「薫子さんの口からまだ返事を聞いていないので、『まだ』友人。

と、言うことになります」

そう言った飛鳥さんはニコッと微笑んだ。

…私は、恐る恐る龍之介を見る。

…龍之介は大きな溜息をついていた。


一体どんな言葉が、龍之介の口から出てくるのだろうか。

不安は募る一方。
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