シュシュ
「まぁ、あんなハンサムな男だもん。

そうなるのも分かる気がする。いいじゃない、薫子。

初恋なんだもん、目一杯、楽しみなよ。

恋してる薫子、スッゴク可愛いよ?自分じゃわからないと

思うけどさ・・・」


そう言って微笑んだみっちゃん。


「・・・うん」

私もつられて微笑んでいた。


「…ところで、薫子」

「・・・ん?何?」

微笑んでいた顔が、急に真顔になった。

私は首を傾げ、みっちゃんを見つめる。


「飛鳥さんは、薫子の、実家の事、知ってるの?」

「…実家の事?」


「そうよ・・・あの、星野建設の娘なのよ。

跡継ぎの心配はいいにしても・・・

西条株式会社にとって、星野建設は、組の人がやってるんだから、

何かしら、デメリットもあるわけでしょ?

その事も、落ち着いたら、話さなきゃいけないんじゃない?

飛鳥さんの薫子への愛は、一生ものみたいだし、

もし結婚までするとなると、やっぱり・・・なんてことも」


「・・・気が早いな、みっちゃんは」

口ではそう言ったけど、…確かに。

みっちゃんの意見にも一理ある・・・

いつかは言わなくちゃいけない・・・
< 116 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop