シュシュ
そこまで言われてやっと用件が把握できた。

そしてやっと驚いた顔をする。

石坂さんはやっぱり可笑しそうにクスクスと笑っている。


「社長からの伝言は伝えました。

必ずそこにお越しくださいね?」


そう言った石坂さんは、ずっと笑いっぱなしで

受付を離れて行った。

…そんなに笑わなくても。

私は貰った紙をマジマジと見つめる。


『○○○レストラン。午後7時』


・・・〇〇〇レストランは、かの有名な某ホテルの

最上階にある、夜景のキレイな高級レストラン。


…なぜ、私なんかを食事に誘ったのか?

…私は社長に嫌われてると思ったんだけどな。

朝の言葉を思い出す。

嘘つき呼ばわりされたし・・・

って言うか、社長と言う偉い人が、私見たいな

一般社員を食事に誘うなんて、絶対にありえない。


私は眉間にしわを寄せる。

これは何かの勘違いよ・・・

でも、この紙と一緒に渡されたのは、

社長秘書の石坂さんの名刺…ウソをついたり、

勘違いしてる事も可笑しい・・・

第一、石坂さんは私の名前をちゃんと呼んだ。


『星野さん』・・・と。
< 14 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop