シュシュ
【飛鳥side】

薫子の突然の別れの言葉に、目の前が真っ暗になった。

・・・何で突然、別れたくなったのか?

…前に家に来た時、どこか様子がおかしかったのは知ってるが、

別れの理由がちっともわからない。

理由が知りたくて、俺は薫子の家に向かった。

・・・マンションに着き、上を見上げると、薫子の部屋の明かりは、

点いていなかった。…午後10時。

もう眠ってしまったのか?

携帯を鳴らしてみても、全く出る様子はない。

…それでも部屋に向かって、インターホンを押してみた。

でも、やっぱり、応答はなかった。


仕方なく、俺は自宅へ帰った。

…自宅に帰っても、考えるのは薫子の事ばかり。

眠る事も出来ず、一夜を明かした。

…いつもより少し早い時間に出社して、受付に目を向けた。

…しかし、そこに薫子の姿はなかった。

本当に辞めてしまった事を思い知らされる。

溜息をつき、エレーベーターに向かった。


「…君」

「…ぁ・・・西条社長」

目の前には、驚き顔の、薫子の友人が立っていた。

みっちゃんと、言っていたか・・・
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