シュシュ
「社長は、星野建設と言う会社をご存知ですか?」


「知ってるも何も、この会社の建設は、星野建設に

お願いしたし、今も付き合いはあるが…」


「・・・その会社の名前と、薫子の名字、

何か気づきませんか?」


「…ぁ。…そうか、薫子は、星野建設の令嬢だったのか」

「はい」


「だからって、どうしてその事が、俺と別れる理由になる?」


「…星野建設会長は、星野組と言う簡単に言えばやくざが興した

会社だと言う事はご存じでしたか?」


「…いや、初耳だ」

本当にその事は知らなかった。

この会社を設立し、建設するにあたって、あちこちの建設会社をあたり、

一番よかった星野建設に、お願いする事にした。

建設業界でも1,2を争う程人気も信頼もあり、仕事に置いても丁寧

親切、アフターケアも、十分すぎるくらい、いい会社だ。

・・・その大元が、やくざとは驚きだ。

だが、しかし、これまで悪い噂などなかったからこそ、

ここまで大きい会社になったんだろう。

だから、それを聞いたからと言って、今後付き合いを止めるつもりなど

毛頭ない。


「薫子が、星野組の娘だと聞いて、社長はどう思いますか?

会社にとってはマイナスにしかなりませんよね?

そう思ったから、薫子は、社長に別れを告げたんだと思います」
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