シュシュ
「俺はその話を聞いて、何とも思わない」

「…そうですか?心からそう思えますか?」


「当たり前だ。星野建設はいい会社だ。

今後の付き合いも続行する。やくざだからと言って、

俺は差別なんかしないし、その付き合いがマイナスになるなどと、

考えもしないな」


「…じゃあ、薫子の事は?」


真剣な眼差しで俺を見つめるみっちゃん。

だから、俺も真剣な顔で答えた。


「薫子と、そんな事で別れはしない。

それを聞いて、尚更守りたい気持ちになったくらいだ。

薫子はきっと、ずっと悩んでいたかもしれない。

小さい時からずっと」


「…そうですよ、彼女は他の人に自慢したいのに、

薫子の為と言って、ずっと口止めされてました。

今回だって、その事を告げず、社長を守りたい一心で、

別れを言ったと思います。

社長・・・貴方の気持ちが本物なら、薫子の事、

宜しくお願いします・・・薫子には幸せになってもらいたいんです」



「…約束しよう。

薫子を必ず幸せにすると・・・」
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