シュシュ
「・・・そのつもりだけど?」

水野さんは真顔で応える。


「エ、そうなの?」

みっちゃんは目をパチクリさせている。


「あ、ありえないわよ・・・

話しもしたこともないのに・・・」


そう言うしかなかった。

せっかくできた友人なのに、誰にも言えない。

だって彼は、この会社の社長なのだから。


「そうよね~・・・そうですよ、水野さん。

西条社長が、私たち社員なんかと、友達なんて、

無理に決まってるじゃないですか?」

みっちゃんは笑いながら言う。


「ま・・・それもそうだね」

水野さんも笑って言う。・・・でも、

目は全然笑ってなくて、その目はやっぱり、

飛鳥さんを捉えていた・・・


「…さ、私は先に行くね?

先輩にも、休憩してもらわなきゃいけないから」


「うん、頑張って」


みっちゃんに手を振り足早に社食を出た。

…すると、突然携帯が鳴りだした。

私は慌ててそれに出る。

ディスプレイも見ずに・・・
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