シュシュ
「もしもし」


『水野と仲がいいみたいだな』


「・・・え?」

どこかで聞いたことのある声だが、誰だかわからない。


『俺が誰だかわかってるのか?』


「…すみません、誰ですか?」

分からないのだから正直に答える。


『西条飛鳥だが?』

「え?!」

…私の携帯番号はまだ教えていない。

飛鳥さんの番号だけはちゃんと登録してあるが…あ。

サッとディスプレイに目をやると、西条飛鳥と表示されたいた。



『なかなか電話くれないから、石坂に履歴書を見せてもらった』

「…すみません、掛けていいのか迷っちゃって」


『で?水野と仲がいいのか?』

「仲がいいと言うわけでは・・・みっちゃんの、いえ、

友人の上司で…ただそれだけす」


私の言葉を聞いて、受話器越しに、飛鳥さんの溜息が聞こえた。


「・・・飛鳥さん?」

『今夜は、何時に家にいる?』

今日は玲子さんと食事に行くから・・・

「9時過ぎには帰っていると思います」

…しばしの沈黙。
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