シュシュ
【飛鳥side】

人の温かなぬくもりを感じながら眠ったのはいつぶりだ?

最近は、仕事が忙しく、恋愛を楽しむ暇も・・・。

そんな事を思っている事に、まず驚いた。

どうやって自分の家に帰った?

薫子の家で、夕飯を食べたのは覚えているが、

それ以後の記憶が全くない。

・・・しかも、今、自分の体が痛い事に気づき、

ゆっくりと目を開けた。

思わず絶句する・・・何でこんな事になってるんだ?


俺の真横で、気持ちよさそうに眠っている薫子。

辺りを見回すと、自分たちはソファーの上で眠っていて、

この部屋は、薫子の部屋だった。

どうやら、俺は眠ってしまったようだ。

…ふと時計に目をやると、まだ早朝の5時すぎ。

まだもう少しだけ、このままでいられる。


眠っている薫子を、俺はそっと抱き寄せた。

すると、薫子は俺の胸元にすり寄って、また、

規則正しい寝息を立てている。

…毎朝、寝覚めには、こうやって薫子の寝顔を見られたら、

どんなに幸せだろう、そう思った。


「・・・ん・・・ぁ。

お、おはようございます・・・」

俺が頭を撫でると、薫子が目を覚ましてしまった。

朝の挨拶を言うと、そっと俺から逃れようとする。

・・・が、俺がそう簡単に離すわけもなく。
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