シュシュ
簡単なおつまみと、私が好きな

お酒を買ったみっちゃんは、私の手を引き、

先を歩く。

・・・いつもそうだった。

私に何かあった時はこうやって、手を繋いで

私の先を歩き、家まで行くと、これでもかってくらい、

話しを聞いてくれた。

流石に相談ごとに、恋愛の話しはなかったんだけど。


しばらくは何も聞かず、何でもない話をしながら、

おつまみをつまみ、お酒を飲む。

…少しいい感じに酔ってきたところで、

みっちゃんは私に何を悩んでいるのか聞いてくる。

前に言われたんだけど、

私は少し酔わないと、悩み事を言ってくれないらしい。


「…と言う訳なんだけど」

私は飛鳥さんとのことをすべて打ち明けていた。

玲子さんにも、その後の事は、何もないと言っていた。

なんだか誰にもいっちゃいけない密事のような気がして、

一人で悩んでいた。


「…まさか、初めての恋が、西条の社長とは・・・

薫子もやるわね」

そう言っておどけて見せたみっちゃん。

・・・『初めての恋』?

何を言っているのか、私にはわからない。

この悩みが、恋だと言うの??
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